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明午 伸一郎; 岩元 大樹; 松田 洋樹; 武井 早憲
Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012072_1 - 012072_4, 2018/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11(Nuclear Science & Technology)J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)では、加速器駆動システム(ADS)のためのターゲット開発を行うためにADSターゲット試験施設(TEF-T)及び未臨界炉心の物理的特性等を探索するための核変換物理実験施設(TEF-P)の建設を計画している。本セクションでは、TEF-Tの核設計評価、陽子ビーム輸送系及び付帯設備の検討を進めており、これらの現状については報告を行う。また、本セクションではTEF-Pへ10W以下となる微弱なビームを安定に供給するために、TEF-Tに入射する大強度の負水素ビームにレーザーを照射しレーザー荷電変換によるビーム取り出し法の技術開発を行っており、この現状について報告する。更に、施設の更なる安全のために、J-PARC加速器施設を用いて核反応断面積測定や弾き出し損傷(DPA)断面積の測定を行う予定としており、これらの現状についても報告する。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05
核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be, Al(p,x)Na及びAl(p,x)Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
明午 伸一郎; 西川 雅章; 岩元 大樹; 松田 洋樹
EPJ Web of Conferences, 146, p.11039_1 - 11039_4, 2017/09
被引用回数:2 パーセンタイル:78.04(Nuclear Science & Technology)J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミからなる陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。実験では、J-PARCの3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射するビームを用い、RCSのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4GeV及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be-7、Al(p,x)Na及びAl(p,x)Na反応の断面積を残留核から生成する線の測定から導出した。さらに物質・生命科学実験施設内に設置されたミュオン生成用の炭素ターゲットから生成するガスを四重極質量分析器で分析し、炭素のガス生成断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること、陽子ビームがよくコリメートされていること、更に陽子エネルギが高精度に測定できること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できることがわかった。また、本測定で得られた結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。さらにTEFの核設計に用いられているPHITSコードよる計算結果との比較を行った。PHITSに最新の核内カスケードモデルによる計算は、概ね実験を再現するものの40程度の過小評価を与えることがわかった。本研究や今後の反応断面積測定により核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
佐藤 達彦
放射線, 31(4), p.313 - 318, 2005/10
高エネルギー加速器施設の作業員,航空機の乗務員及び宇宙飛行士に対する被ばく線量評価では、20MeV以上の高エネルギー中性子による被ばくが問題となる。このような背景から、高エネルギー中性子の輸送を扱える計算コードが幾つか開発され、線量評価に利用されている。本報告では、それらの計算コード開発の現状について解説し、その使用時における留意点や、今後解決すべき課題について整理する。
奈良 寧; 大塚 直彦; 大西 明*; 丸山 智幸
Progress of Theoretical Physics Supplement, (129), p.33 - 37, 1997/00
高エネルギー重イオン反応(核子当たり約10GeV)で生成される高温高密度核物質の熱的性質の時間発展をシミュレーションを用いて研究した。これまで、すべての観測されているバリオン共鳴状態(,,N)を陽にシミュレーションに入れても、入れなくても、実験値はよく再現することが知られていた。しかし、我々は自由度が大きくなると重イオン反応のメカニズムは大きく変わり、たとえば生成される状態の温度はまったく違うことを発見した。
高田 弘
原子核研究, 41(3), p.39 - 47, 1996/06
68MeV陽子を厚いC、Au及びCuターゲットに入射した場合の中性子スペクトルについて、NMTC/JAERIとMCNP-4Aから成る高エネルギー核子・中間子輸送計算コードシステムを用いて、前平衡過程を導入した場合(3STEPオプション)と反射・屈折及び媒質効果を考慮した核子・核子散乱断面積による原子核の平均場の効果を導入した場合(ISOBARオプション)の2通りの解析計算を行った。3STEPオプション計算は45°より後方では全エネルギー範囲について実験と良く一致したが、0°~30°方向では20MeV以上の中性子放出を実験よりも極端に大きく評価した。一方、ISOBARオプション計算は、3STEPオプション計算に生じた前方角度の不一致を良く改善し、後方角度でも実験とかなり良く一致した。この結果、原子核の平均場の効果を考慮することにより、NMTC/JAERI-MCNP-4Aコードシステムの計算精度の向上が確認できた。
義澤 宣明*; 石橋 健二*; 高田 弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(7), p.601 - 607, 1995/07
被引用回数:27 パーセンタイル:90.46(Nuclear Science & Technology)核内カスケード・蒸発モデルに基づく核破砕反応計算コード(HETC)に励起子模型を用いた前平衡計算を導入し、HETC-3STEPとした。(p,xn)反応二重微分断面積について、運動源モデルによってカスケード、前平衡及び蒸発の3成分に分離された種々の実験データを各成分毎に良く再現できるように励起子の遷移確率と前平衡過程打ち切り条件のパラメータを決定した。このパラメータを用いたHETC-3STEPによる計算を行い、Al以上の原子核について種々の入射エネルギーに対する放出中性子二重微分断面積データと比較を行った。この結果、前平衡計算の導入によって入射エネルギー20~100MeVの範囲で、これまで過小評価していた後方への中性子放出を改善し実験と良い一致が得られるようになった。
高田 弘; 石橋 健二*; 義澤 宣明*; 中原 康明
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(1), p.80 - 82, 1994/01
被引用回数:1 パーセンタイル:26.96(Nuclear Science & Technology)核破砕反応計算コードの計算精度を検証する目的で、入射エネルギー25~1600MeVの場合のZrとPbターゲットにおける(p,xp),(p,xn)反応の二重微分断面積についてベンチマーク計算を行った。計算では、核内カスケード・蒸発モデルに基づくNUCLEUSとエキシトンモデルにより前平衡過程を解析できる機能を加えたHETC-3STEPを用いた。前平衡過程の解析では、核反応に伴うエキシトン数の遷移確率を2.5倍粒子放出方向をほぼ等方にする等の修正が加えられている。計算の結果、NUCLEUSは入射エネルギーが256MeV以上では実験結果を比較的良く再現するが、入射エネルギーが160MeV以下では後方への粒子放出を過小評価することがわかった。一方、HETC-3STEPは、この後方における過小評価を改善し、全入射エネルギーに互り、実験結果を良く再現した。ただし、前方の準弾正散乱とそれに続く連続成分については、両コードとも実験を再現できなかった。
高田 弘; 中原 康明; 西田 雄彦; 石橋 健二*; 義澤 宣明*
Proc. of NEA/NSC Specialists Meeting on Intermediate Energy Nuclear Data:Models and Codes, 0, p.121 - 136, 1994/00
核内カスケード蒸発モデルに基づく核破砕反応計算コードNUCLEUSとこれに前平衡過程を加えたHETC-3STEPを用いて25~1500MeVの中間エネルギー領域における(p,xn)及び(p,xp)反応の二重微分断面積に関するベンチマーク計算を行った。256MeV以上では、両コード間にパラメータの違いによる蒸発成分の差が見られるものの、両コードとも実験と良い一致を示した。エネルギーが下がるにつれてNUCLEUSは後方への粒子放出を1桁以上過小評価したが、HETC-3STEPはこの過小評価を改善し、実験と良く一致した。この結果、前平衡過程の導入は、低いエネルギー領域での核内カスケード蒸発モデルの計算精度を向上させることがわかった。但し、クラスター粒子の前方ピーク成分については、HETC-3STEPでも実験結果を全く再現できなかったので、更にモデルを改良する必要がある。また、核種生成断面積については現状で、計算は実験と2倍内の差で一致することがわかった。
岩元 大樹; 西原 健司; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦
no journal, ,
粒子輸送計算コードPHITSは、加速器駆動核変換システム(ADS)の核設計において重要な役割を果たしている。PHITSのバージョン2.52以降、PHITSの核反応モデル(核内カスケードモデルINC)の標準仕様がBertini INCからLige INC version 4.6 (INCL4.6)に変更された。INCL4.6は、モンテカルロコードで使われる核反応モデルを検証する核破砕反応ベンチマークにおいて最も優れたモデルであることが示されているが、PHITSでは独自の脱励起モデル及び核反応断面積のパラメータを使用しているため、PHITSに組み込まれたINCL4.6についても検証が必要である。さらに、これまでのADSの核設計では旧モデルを用いて実施していたため、核反応モデルの変更は、従来のADSの概念設計の結果に大きな影響を及ぼす可能性がある。本研究では、PHITSの新旧標準仕様であるBertini INCとINCL4.6及びPHITSに組み込まれている核反応断面積系統式(Pearlstein-Niitaの式及びSatoの式)の相違によるADSの核特性値の影響を調査した。解析の結果、核反応モデルの差異はビーム電流に大きく影響し、モデル間で10%を超える差異が生じることがわかった。この差異はビーム窓の核特性値にも影響を与えることがわかった。さらに、これらの差異は、核破砕反応による放出中性子の差異に起因していることを明らかにした。
橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 仁井田 浩二*
no journal, ,
PHITSをはじめとする粒子輸送計算コードは、様々な放射線の挙動を模擬できるため、加速器施設等の放射線遮へい計算において利用されている。数100MeVの中間エネルギーの陽子入射反応は、これらのコードに組み込まれたINCLなどの核内カスケードモデルによって模擬されており、2次粒子として放出される中性子のスペクトルをよく再現することが確かめられている。しかし、前方に放出される中性子スペクトルについては、入射エネルギーから数10MeV低いエネルギー領域で実験値を計算値が過小評価することが指摘されていた。そこで、Evaluated Nuclear Structure Data File (ENSDF)に基づいてアイソバリックアナログ共鳴やガモフテラー共鳴の寄与を考慮する共鳴断面積モデルを開発し、INCLの結果と組み合わせることで前方の中性子スペクトルの再現性を向上させる新規モデルを考案した。新規の組み合わせモデルが、鉛標的の陽子入射反応における中性子スペクトルを再現することを確認しており、開発したモデルを用いることでPHITSによる遮へい計算の信頼性が高まることが期待される。
岩元 大樹; 明午 伸一郎
no journal, ,
放射線挙動解析コードPHITSは、加速器駆動核変換システムや核破砕中性子源施設等における放射能・被曝線量評価及び施設の遮蔽設計に重要な役割を演じるが、PHITSの核破砕反応を記述するモデルINCL4.6/GEMは核分裂生成物の収量を大幅に過小評価することが知られており、モデルの高度化が求められている。本研究では、核分裂生成物の収量予測に重要なパラメータとなる「核分裂確率」を現象論的に記述するモデルを提案し、このモデルを粒子輸送計算コードPHITSに組み込まれている脱励起過程計算コードGEMの高エネルギー核分裂モデルに適用した。実験値との比較の結果、からのサブアクチノイド核種に対する陽子入射, 中性子入射及び重陽子入射反応に対して、核分裂断面積を統一的に予測でき、その予測精度は従来モデルよりも大幅に改善することがわかった。
橋本 慎太郎; 佐藤 達彦
no journal, ,
PHITSに組み込まれた核内カスケードモデルINCLは、数10MeVから数GeVの核子が引き起こす様々な核反応を精度良く記述する。しかし、入射粒子が標的中の陽子をはじき出すノックアウト反応を過大評価する傾向があり、これが標的表面にある陽子の運動量分布に原因があると指摘されていた。そこで、PHITSによる計算精度を向上させるために、標的の外殻核子を1粒子波動関数で記述し、その空間分布をフーリエ変換して求めた運動量分布を導入した。従来のINCLでは表面核子が高い運動量に偏った分布をもっていたが、1粒子波動関数を基にした分布の導入により、高運動量成分が減少してノックアウト反応が抑制されるようになった。本改良の結果、陽子入射時の陽子ノックアウト反応を再現することを確認しており、PHITSによる計算結果の信頼性を向上させることが期待される。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 松田 洋樹
no journal, ,
モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITSは、加速器駆動核変換システム(ADS)及び大強度陽子加速器施設の核特性評価において重要な役割を担うが、PHITSに組み込まれている核反応モデルは高度化の余地が残されている。本研究は、放射能量評価で重要な核破砕生成物の核種生成断面積に関する実験データ及び他のモンテカルロ粒子輸送計算コード(MCNP6及びGEANT4)で使用される最新の核反応モデルによる解析結果と比較することで、現状のPHITS核反応モデルの予測精度を把握し、さらなる高度化に向けた課題を摘出することを目的とした。ADS及び核破砕中性子源施設で重要な400MeVから1GeVの陽子入射エネルギー領域及び重標的核種に関する実験を対象とし、ドイツGSIで測定された逆運動学による実験データ及びJ-PARCで測定された最新の結果を含む放射化法による実験データと、計算モデルによる結果と比較した。その結果、PHITS推奨の核反応モデルINCL4.6/GEMは、核分裂生成物を過小評価し、蒸発残留核種について、同一元素に対して中性子過剰に評価する傾向を示すことがわかった。さらに、GSI実験データが存在しない中重核(IMF)領域(=10-40)及び核分裂生成核種と蒸発残留核種の間の領域(=120-160)において、計算モデル間の差異が顕著であることが示された。
明午 伸一郎; 中野 敬太*; 山口 雄司; 大辻 賢一*
no journal, ,
加速器駆動システム(ADS)や大強度陽子加速器において、数GeV領域の(p,xp)反応の実験データの比較検討は重要となる。これまで、当グループではプラスティクシンチレータを用いたカロリメトリックな測定によるスペクトル測定を実施したが、数GeV領域の測定では、シンチレータを用いた測定では困難となる。そこで、チェレンコフ放射に基づくスペクトル測定に着手した。また宇宙利用においても、太陽フレア等で発生する陽子のスペクトル測定が重要となり、チェレンコフに基づくスペクトロメータの開発が進められている。チェレンコフで発生する光子数は、陽子の光速比()に依存する応答を持つため、この応答特性をJ-PARCの加速器施設のダンプ入射窓の散乱陽子を用いて測定した。測定の結果、ほぼ予想された応答関数となることが示された。